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RexiのPBW第二弾の学園Xネタを此処で。
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まさかなぁ……と思いつつ、シャロの過去とティースの過去の話す機会がでたので書かせていただきます。
ふぐぅ、やはり、流石であった……。


これは非公式ではありますが、某方のおはなしからつながっています。
(背後で許可はとりました)

「シャルロットの告解話」

おはなしは後日にちゃんと続きに書きますのでご安心あれ!
と、とりあえず、某方のブログとか見ていただくと、ティースとシャロと某方たちの交友関係とか
おはなしの流れが解るかもしれない。
背後でこういうストーリーがありましたよー的な!
流石に表でやるのは自分の設定にオリジナル要素ありすぎたのと、シナリオがもう出ないので……あきらめるしk……!



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それはきっと、語るべき時に語られた、幼いエルフたちの物語。


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突然の来訪者。
ティースは彼の願いを受け入れ、その剣を受け取った。
彼が帰ったあともシャルロットは複雑そうな顔をかくそうともせず
ただただ静かに、じっと従兄の顔を見つめていた。
そんなシャルロットに、来訪者から渡された剣を抱いて
ティースは柔らかい笑みを浮かべた。

「あげませんよ?」
「……べ、別に欲しがってないよ」
「そうですか? ……その日が来たら、渡しますから。ちゃんと」

にっこり。
有無を言わさないその笑顔。
シャルロットはその笑顔に怯み、そして大きくため息を吐いて立ち上がる。
無意識にその足はいつの間にか出入りをする扉に向かって歩いていて
それに気づいたティースが首をかしげたのが窓に映って見えた。

「散歩、いってくる」
「門限までにもどってきてくださいね」

簡単な言葉を交わして自室を出る。
そして各寮の談話室に続く螺旋階段を下り
ユニコーンホーンの飾られた玄関から外に出た。
外に出れば空には変わらぬ満天の星々。
そして……道の先には先ほどまで自分の部屋に来ていた来訪者の姿。
思わず視界からその姿を外す。
別に彼がどうしたというわけではないけれど……それでも……。

『俺、お前の態度っつーか、性格っつーか、
 なんか‥‥気に入らなかったんだよな。‥‥
 そっちの故郷がどんなトコかしらねーけどさ。
 ‥‥その目とか、なんで隠してんの?って俺は思うわけ。』

いままで誰にもはっきり聞かれることはなかった。
いや、聞かれることを恐れて、逃げていたのかもしれない。
脳裏に過ぎるのは、闇の中にたたずむ自分の姿。
村で初めて心惹かれた少女。その目に映るのは拒絶と恐怖、そして憎悪。
その記憶から逃れるように大きく首を振った。
そして……ティースに剣を預け、自分に大きな動揺を誘った
その少年の名を呼び……半ば無理やりに寮の裏の森へと誘ったのだった。



「いや……べつに、ティースに預けたからとかそういうのじゃなくて」
「・・・・」
「君には少しこっちの村のことも知っといてもらってもいいかなって」

シャルロットのその言葉に不機嫌そうな顔に僅かに不思議に思ったという
ような表情が浮かぶ。 その表情に思わず苦笑がこぼれた。

「なんというわけではないんだけど。君だけずるいなあってかんじ?」
「・・・・は?」
「まあ、長くなりそうだからさ。その辺りの切り株にでも座ろうよ」

「聞くなんていってねぇっつの・・・・」といいつつ切り株に腰を掛けた相手に
苦笑をしつつ、シャルロットは語り始めた。
自分が……自分の瞳を嫌う理由……そして、自分の村の事を。



-----------------------

シャルロットは村にある神殿の大司祭の血筋に産まれた。
父は外の世界からきた傭兵のエルフ。
母は大司祭の娘で双子の姉妹の妹であった。
だから本当は、幸せな生活が出来たのだろう。この瞳が赤くさえなければ。
シャルロット達の村では赤の色はたいそう忌み嫌われていた。
赤は森を焼く炎の色であり……なにより
デュルガーやアンデッドの瞳を象徴する色だったからである。
故に、シャルロットは目が開いたその時から『悪魔の子』として忌み嫌われた。
祖父には命を狙われ、神殿の司祭からも嫌われ……。
両親はシャルロットと共に神殿をでて村はずれの小さな家で暮らし始めた。
それでも彼の立場は変わることはなく……ただ一つだけ変わったことがあった。
シャルロットは一人の少女に恋をしたのだ。
彼女は村長の娘であり悪魔の子と呼ばれていた彼にも
普通の村の仲間として接してくれていた。
だが、ある日、シャルロットは村の池の傍で
彼女が可愛がっていた子猫が野犬に襲われているのを目撃してしまった。
助けようと思った。でも……助けられなかった。
野犬が逃げ出した時にはすでにもうその子猫に息はなくて。
埋葬しようと抱き上げた所を探しに来た村長の娘に見られてしまって。
彼女もその時から彼をシャルロットではなく『悪魔の子』として見始めた。
他の村人と同じように忌み嫌い、石を投げて……。

-----------------------------------------------------



「自分はなんて不幸なのかと思ったよ。
 でもこの瞳を隠してれば……そんなに風当たりは強くなかったんだ」

一気に話して疲れたというように、シャルロットは肩を竦めた。
少年からの返事はなかった。
何かを考えているようにも見えたし、聞き流しているようにも見える。

「あとは村の事か……僕の村ではとある予言があってね。
 『悪魔の子と浄罪の巫女の二人が産まれた時、どちらかが死ぬまで
 世界にもこの村にも平和は訪れない』ってさ。だから僕は、その頃
 村人から崇拝されていたエルフが大嫌いだった」

今でもはっきり思い出せる。
儀式のたびに現れたその姿。
まっしろなまっしろなにんぎょうのような。
それが自分の従兄だとしって、余計に憎しみは募っていって。
ある日、それは爆発した。

「殺そうと、おもったんだ」

そうすれば……きっと、自分の周りは変わるから。
でも、彼に飛び掛かった時、彼は抵抗するそぶりもなくて
表情すら……その顔に浮かばなくて……。
彼は幼いシャルロットのほほに手を伸ばして呟いたのだ。
『ありがとう』と。

「……因習に縛られていたのは僕だけじゃないってそのとき気づいた」

狂っているのは人じゃない。狂っているのはこの村なんだと気づいた。
だから彼を連れ出した。神殿から外の世界へ。
俗世から隔離され、幼い頃に心を壊されていた少年を……助けようとして。
それでも彼に表情は戻らなかった。
だから……「お互いを演じる」ことにした。
僕の笑顔を、ティースは真似た。 僕の感情を、ティースは真似た。
……そして学園にやってきて……。
でもティースはまだその演技を続けていて……。

「堂々となんて、できない。できるわけない。
 僕が皆の前で僕に戻ったら、ティースはどうなってしまうんだ。
 僕は……誰かに憧れられる英雄にはなれない。
 ……昔から僕は……彼だけを守れればいいんだって思っていたから」


だから、ティースが僕に剣を渡すことはない。
 そんなこと、わかっているんだ……。

 だって……目の前にいる彼が望むのは……大勢の誰かを守る……
  誰よりも強くて優しい……勇者なんだから……
    そんな勇者の剣を持つ資格なんて……僕にはないんだ……



拍手[1回]

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secret
ぉー
遅れながらこちらのリンクを張らせていただきました;
どちらからも行けなきゃ、ちょっと読みづらいでしょうからね~;

こちらの、前提になるやつはあんな感じになりました。
お話楽しみにしとりやす!
翼夜 URL 2013/03/31(Sun)  17:21 編集
ありがとうございますー

リンクありがとうございますー!

此方の話はこんな感じでしょうか……。
なんか続きそうだ……!
蒼珠 2013/03/31(Sun)  19:13 編集
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プロフィール
HN:
祈神蒼珠
性別:
非公開
趣味:
小説の創作・小説、漫画の読書・一人カラオケ・ネットゲーム
自己紹介:
初めまして。
祈神蒼珠と申します。
性別は女です。

とりあえずフォルクを見て
頂くとわかりますが
基本は無害……で……す?

Rexiの第二弾PBWで
ある神代七代学園Xを
プレイしています。

以下、持ちキャラ。


フォルク・ノクターン(xa5411)
ローザティア・エルプス(xa5829)
ティース・ハルモーニ(xb0002)
シャルロット・ミューラー(xb4007)
アリア・フォルトーネ(xc0025)

フォルクは陽パドマ
ローザは風ヴォル
ティースは陽キュベ
シャロは風パドマ
アリアは月キュベ
……です。

此処では学園Xの話が
主になります。
コメは大歓迎です。
……出来ればコメ初回は
名乗ってくださると
嬉しいです……(涙)



めっせんじゃ

sousyu01(によによ)live.jp

なんだか笑ってるようにしか
聞こえない擬音を@に変える
といいと思います。
この際も名乗ってくれると
意思疎通が取りやすいやも(爆)
メールアドレスでも
あるのでCPに余裕がなければ
此方から連絡頂ければ
余裕で連絡が繋がります。



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