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RexiのPBW第二弾の学園Xネタを此処で。
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それはきっと

ここにつながる為の


聖夜との出会い編





許して。
何度も叫んだ。
僕が悪いなら、謝るから!
母さんを、父さんを助けて!


泣きじゃくる少年の頭を、初老の神父がそっとなでた。
なにが悪かったわけでもない。
ただ、運が、悪かった。
事故で意識不明の重傷を負った彼の両親。
それが彼の所為だと責める物はいない。
彼はただ、家にいただけだ。両親の買い物についていかなかった。
ただそれだけなのに。
少年はただ懺悔を繰り返す。


ごめんなさい、ごめんなさい……と。


もし、許されるなら、僕の一生を神の為に捧げますから、と。

その祈りが通じたのか、奇跡的に彼の両親は
後遺症もなく目覚めて退院をした。
そして彼は、その約束を守るべく……今は助祭として
各地を転々としているという。

私はもうすぐ、死ぬだろう。
目の前には黒い靄。それが悪魔だといわれても誰も信じないだろう。
死ぬのは、構わない。
私は悪魔と戦う使命を持っている。それは当然の事。
だがもしかしたら、神に一生を捧げると誓った『彼』も悪魔と戦う事になるのかもしれない。
彼も、神の声を、聞くのかもしれない。
そのときはどうか……どうか……彼に多くの仲間がありますように。

『孤独(ひとり)』ではありませんように。





「エル……手紙が来ている」

日本で助祭を務める私の元に神父様がやってきた。
それはルークス市国の印を押された一通の手紙。
嫌な、予感がした。
恐る恐る封を開けて、中の手紙に目を通す。
そこにはただ儀礼的な文書で
『ベルガー神父が亡くなった』と
そう書かれていた。
「何があった?」問いかける神父様に
私はその文書を差し出した。

「ベルガー神父は悪魔払いに赴かれたと聞いています」
「そうだな。まさか……先に逝かれるとは思わなかったが」
「……司祭になれば、みな、このような危険を
 強いられるのですか?」

私は恐ろしかった。何が、と聞かれると言いにくい。
前にもこんなことがあった。
殺されたのは見知らぬ一般人であった。
私は悪魔と言うものを見たことはない。
だが教会を預かるものの教育は受けてきた。
だからいずれ自分もまた戦いに、悪魔払いに赴く事になるのでは。
そんな恐怖があったのだ。
だが神父様はそんな私を笑った。豪快に。

「まさか!強いられるのは数少ない悪魔を祓う術を
 身につけた者たちだ。
 自分の身も守れぬお前が戦えるわけないだろう」
「そう、ですか……」
「さて……エルシオン。お前はルークスに行ってこい。
 彼に世話になったのだろう。最後に花を手向けてやれ」

そう言って送り出された。
まさかその言葉で彼の笑顔をみるのが最後になるとは思わなかった。
私がもしルークスに戻らずに此処にいれば何か変ったのだろうか。
いや、変わるわけがない。むしろ犠牲が二人に増えただけだろう。
誰かを護りながら戦うのは、それは大変な事なのだから。
その後、私は司祭となり神の声を聞く。
そして戦いに赴く事になるのだが……それはまた別の話だ。

助祭の頃、その場所によく来ていた少年の話をしよう。
彼の名前はセイヤといった。
クリスマスの名をもつのに、聖人の誕生日に生を受けた少年だ。
彼は片方ずつ異なる異色の瞳をもっていた。
それゆえに負の感情をぶつけられては
信者の母親らしき女性と共にこの教会に座っていた。

「ぼくはかみさまなんてしんじない」

私より歳が一回りは幼いだろう、この少年は何度も何度も呟いていた。
信じない。そういうのに、何故か教会に足を運び続けている。
それはなぜなのか。わからない。
確か、彼は、もっと前から足を運んでいたはずだ。
でも神父様は何も言わずに、彼を受け入れていた。
それを不思議に思った。そう、私には察することはできなかった。
故に訪ねた。「何故、そこまで、神を拒むのか」を。
彼はきょとんと瞳を瞬かせて、そしてうつむく。

「だって、かみさまのいっていることはきれいだけれど」

そこまでいうと俯いてた顔を上げて、私に向き直る。

「けっきょくは、それだけだから」

逃げるように走っていく背中を止めることなんてできようか。
いや、できるわけない。
一度は私も思った事があるから。
父と母が、事故に会う前まで、だけれど。
俯いていた私をみて何事か察したのだろうか。
神父様が控室から歩いてきて、ぽんっと私の頭に手を置いた。

「どうした。あの坊主がきになるのか?」

「……はい。神は近くにいるのに……彼は気付いていないのだなと」

「そうか。エルシオンは奇跡を見たのだったな……それならば無理はないが」

そう、それは奇跡。
むしろ、神のきまぐれだったのかもしれない。
だけれどそれは一人の信者の運命を変えるほどで。

「……あの坊主は、助けてもらえなかったからな」

「え?」

「神様の気まぐれは全員に起こるわけじゃないってこった。
……あの坊主は産まれる前に父親を失い
産まれた時に双子の片割れを、産まれてから母親を失ったそうだ。
今は虐められているらしい。子供の虐めは手加減がない……」

「それは……共にいた女性から……?」

「ん……ああ。まあ、プライベートに関わるから
 あまり教えたくはないんだが……おまえも聞く側になる時があるからな。
 共通認識として教えておいた方がいいだろう」

「……そんな……」

唇を噛んでしまう。
全員に起こると思っていた神様からの奇跡。
でも彼には起こらなかったのだという。
故に……あの言葉なのだろうか……。

『ぼくはかみさまなんてしんじない』

まっすぐに見つめて言われた言葉が……私の耳に残っていた。


翌日、神父様はとある学校に向かった。
PC機器の故障と気味の悪い笑い声。
その二つから下級のディアボルスと判断したらしい。
そして夕方になる頃に、神父様は帰ってきた。
少年とその保護者である女性を連れて。

「まさか……エンジェリングだったとはな」

少年……聖夜はその言葉に思いきり顔を背けた。
その様子はまるで自分はそんなものではないと言いたげだった。

「聖夜ちゃんは、どうなるのですか……?」

おずおずと聞く女性に、大丈夫だと神父様は笑う。

「彼には簡単な身を護る方法を教えよう。
 あと、なにかあったら此処かこの番号に電話をくれ。
 すぐに駆けつける」
「……ありがとうございます」

深く頭を下げる女性と会話を続ける神父。
でも私は聖夜の様子が気になってしかたがなかった。
だから声をかけることにしたのだが……。
返ってきた反応は無言。
日本語で話しかけようにもたどたどしくしゃべれる程度だ。
困ったと悩む私に、聖夜は小さく呟いた。
「てんしなんかじゃないのに」と。

「てんしだったら、こんなふうになるもんか。
 おとうさんも、おかあさんも、いきてるはずだよ。
 それに……ぼくは……」
「…………神様なんて信じない?」

問いかけた言葉に顔を上げる少年。
そして小さく頷いた。

「そうだよ。なのに、なんで、てんしなんかいるんだろう」
「それは……キミに何も出来なかったから、かも?」

神は誰の心にもいる。そして本当に存在している。
そして、もし、救えなかった人間に天使が降りていたとするのなら。
本当の危険が起こった時にいち早く神が気付けるように。
そしてその力で同じような人々を救えるように。
私は、それを、なんとか伝えたくて。
覚えている言葉を駆使して頑張ってみた。
でもどうしても表現できない言葉とかもあって。
思わず落ち込む私に、少年はきょとんとし、そして笑った。

「きみって、たのしいね」
「……キミって、わたしはエルシオンと言う名前が、だね……」
「じゃあ、エルはたのしい。それにへんなひと。
 ……いってるのホントのことみたいだし、へんなの」
「………」
「……ぼくもじゅうぶん変だけど、ね。
 ねえ、エルはさ、どんなことばならわかるの?」
「理解できるのはラテン語と英語……?」
「……そっか、じゃあ、もっと大きくなったら覚えてみよっかな。
 で、エルにあいにいくよ。そのときにまた、さっきいってたことおしえてよ」

「勿論だよ」と私はいって、「ならがんばって自分の身くらいまもろう」と
聖夜は笑った。



日本の教会から離れ、司祭になり10年の月日が経った。
今では日本語もわすれてしまったけど、時々彼の姿を思い出す。
いまでも、彼は元気だろうかと、神に祈りながら思う。
いつか、会えるのならば……。

「私も、日本語位は覚えなくては、ね……」
「うん。覚えて欲しいな。僕がこっちに居る間には」

その声に、驚き振り返る。
そこには……成長しているけれど確かに変わらない……
彼の笑顔が、そこにあった。









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プロフィール
HN:
祈神蒼珠
性別:
非公開
趣味:
小説の創作・小説、漫画の読書・一人カラオケ・ネットゲーム
自己紹介:
初めまして。
祈神蒼珠と申します。
性別は女です。

とりあえずフォルクを見て
頂くとわかりますが
基本は無害……で……す?

Rexiの第二弾PBWで
ある神代七代学園Xを
プレイしています。

以下、持ちキャラ。


フォルク・ノクターン(xa5411)
ローザティア・エルプス(xa5829)
ティース・ハルモーニ(xb0002)
シャルロット・ミューラー(xb4007)
アリア・フォルトーネ(xc0025)

フォルクは陽パドマ
ローザは風ヴォル
ティースは陽キュベ
シャロは風パドマ
アリアは月キュベ
……です。

此処では学園Xの話が
主になります。
コメは大歓迎です。
……出来ればコメ初回は
名乗ってくださると
嬉しいです……(涙)



めっせんじゃ

sousyu01(によによ)live.jp

なんだか笑ってるようにしか
聞こえない擬音を@に変える
といいと思います。
この際も名乗ってくれると
意思疎通が取りやすいやも(爆)
メールアドレスでも
あるのでCPに余裕がなければ
此方から連絡頂ければ
余裕で連絡が繋がります。



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